Keishonihongo

はじめに:

米国では、日本にルーツを持つ子どもたちの日本語教育(継承日本語教育、JHL)が様々な形で行われています。

米国の継承語学習者の中には、非営利団体によって運営され、地域関係者の支援によって草の根レベルで維持されてきた地域密着型(コミュニティーベース)の学校で学ぶ生徒もいます。また公立教育機関では、日本語や日本文化は外国語科目として、あるいは日本語イマージョンプログラムで教えられています。しかし、カリキュラムは、必ずしも学習者の言語背景や家庭環境に即したものとは言えません。

さらに、米国における継承日本語教育には、日本の文部科学省が支援する補習校で日本語を「国語」として学ぶ継承日本語学習者も少なくありません。このような継承語教育と継承語学習者に見られる多様性のために、一つの学校の教育方法が必ずしも他の学校でも使えるということにはなりません。そのため、継承日本語学習者のニーズにあった教育を適切な教材を使って行うことが難しくなっています。

国際交流基金ロサンゼルス日本文化センター(JFLA)では、全米の継承日本語教育に携わる方々を繋げる第一歩として、本プラットフォームを開設しました。本プラットフォームのメニューの一つとして、コミュニティーカフェ(チャットカフェ、登録は無料)というのがあり、ここでは、ユーザー同士で相談や意見交換ができます。このプラットフォームが米国の継承語学習者の保護者、また教育者の方々のお役に立てることを願っております。

このプラットフォームをより良いものにするために、JFLAにアドバイス・ご提案・ご要望などお気軽にご意見頂けますと幸いです。保護者・継承日本語教育関係者の方々にとって、より有益なサイトとなるよう、継続的に更新していきます。


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継承日本語アドバイザリーコミッティーメンバーからのメッセージ

このプラットフォームは、米国において日本にルーツを持つ子どもたちの継承日本語教育に携わる保護者、教師、学校、教育関連団体の皆様を繋ぐサイトです。このような国際交流基金という公的機関による試みは、米国の継承日本語教育の歴史の中で初めてのものであり、長い間待たれていた画期的な企画です。 

継承日本語教育は、戦前に日本からの移住者の子どものための教育として始まって以来、長い歴史がありますが、在住国であるアメリカは、英語オンリーの言語政策で、政府の公的機関では継承語教育自体の認識さえつい最近までありませんでした。各地域の継承日本語学校は親の自助努力だけで孤立して細々と運営され、「教師がいない」、「教材がない」、「資金がない」など「ないないづくしの継承語教育」と言われ続けてきました。

このプラットフォームを通して、米国の継承日本語教育に携わっていらっしゃるすべての方々の間につながりが生まれ、情報交換が活発化し、米国の継承日本語教育の新しいページが開かれていくことを期待してやみません。


  • カルダー淑子
    ジョンズ・ホプキンス大学高等国際問題研究大学院 講師
    母語・継承語・バイリンガル教育(MHB)学会海外継承日本語部会 元代表
    プリンストン日本語学校 理事
  • ダグラス昌子 博士
    カリフォルニア州立大学ロングビーチ校アジア・アメリカ研究学部 名誉教授
    バイリンガル・マルチリンガル子どもネット 理事
    全米継承語学校連盟 理事
  • 桶谷仁美 博士
    イースタンミシガン大学世界言語学部 教授
    バイリンガル・マルチリンガル子どもネット 副会長
    ミシガン日本語継承センター 理事

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