このページでは現在活動を行っている継承日本語教育プログラムをJFLAが取り上げて紹介しています。いずれも教員やアドミニストレーターの皆さんの多大な努力によって開設されたものです。このサイトで紹介を希望される学校・プログラムがありましたら、お気軽にJFLAまでご連絡ください。
MUSUBIアイオワ継承日本語教室は、2021年に保護者同士の任意グループとして立ち上がり、2023年以降はアイオワ日米協会 (JASI) の傘下で①子ども主体の活動、②海外で育児する保護者の場作り、③地域拠点の小規模継承日本語教室・グループの活動支援、を3本柱として対面・オンラインにて運営を行っています。 子ども主体の活動では、文部科学省検定済教科書を土台に10歳ごろまでは日本語を通して暮らしや学びを楽しめる活動を、高学年以降は内容探究とことばの習得を同時に行いながら、地域社会につながる学びを目指しています。対面・オンライン型の良さを各々に生かした活動の実践と、オンラインでのアプローチを活かして国内外の継承日本語グループと合同の活動も定期的に行うなど、多彩な視点を持った子ども達が州や国を超えて集まり、共に学び合えるのがこの教室の特徴です。 さらに、子どもの日本語教育にはそれを支える保護者への支援、そして地域の継承語グループの存在が欠かせないという考えから、新生児の時期から日本語での子育てに関心を持っていただく為の対外活動、各地域で日本とつながる子ども達を支える活動を行う方々への支援する活動も行っています。 MUSUBIアイオワ継承日本語教室 学校案内 https://sites.google.com/view/musubi-iowa/home |
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日米友好親善活動を目的とする SC 日米協会のもとに「SC にほんごクラブ/SC Nihongo Club (under the Japan-America Association of South Carolina)」は開校しました。2021 年4月より⻑期滞在邦人子弟のための継承日本語教育を提供しています。継承語1と継承語2の二クラスのほか 2023 年秋より幼児のための親子ルームを加えました。「プロジェクト型アプローチを使った合同授業」を中心とし、児童の複言語・複文化能力を活かす活動を通して生涯に渡って楽しく日本語を学ぶ姿勢を養うことを目的としています。日本人としてのアイデンティティを育み、グローバルに活躍できる国際人材の育成を目指しています。また JFLA の教材助成支援を受け、本好きな語彙力の高い子どもを育てるべく、「多読」をカリキュラムに加えました。音声付きオンライン教材の普及以来、地道に効果が出始めています。海外週末授業校が直面する運営上の問題を解決するため様々な取り組みをしています。生徒間の日本語能力差が大きいクラス運営のための T A(指導助手)導入、コミュニティ活動やスポーツなどで毎回の出席が難しい生徒のための授業料回数券制度、そして慢性的教師不足を解決するための教師ローテーション方式があります。 |
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ロッキーズ日本語アカデミー(Japanese Academy of the Rockies – JAR) は、日本人子弟へ継承語として日本語を教える週末学校として2006年9月に設立されました。当時は3-5歳の生徒20名ほどと3名の教師で始まりましたが、2023年8月現在、2歳からAPクラスの高校生まで150名ほどが在籍する学校に成長しました。開校当初、国際交流基金のMaterial Purchase Grant をいただき、幼児向けカリキュラムや活動を充実させることができました。 当校の教育方針は、あらゆる背景を持つ生徒に日本語と日本文化を教えることです。現在、「継承語としての習熟度別プログラム」、そして、「外国語としての日本語教育プログラム」の2つの異なる教授法を柱に、生徒の年齢も考慮した編成にて15クラスを開講しています。どちらのプログラムにおいても、生徒自身が、他者と日本語でコミュニケーションをとれるようになることを大きな目標としています。 また、ロッキーズ日本語アカデミーの所在地であるデンバーメトロ地域において、生徒・保護者・教職員はもちろん、日本人および日本語学習者が、楽しく交流し、支え合えるコミュニティーの構築も目指しています。 http://www.japaneseacademyoftherockies.org/ |
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プリンストン日本語学校 (Princeton Community Japanese Language School – PCJLS)は「日本語や日本文化を学ぶ意欲のあるすべての人に門を開く」というスピリットのもと、1980年に開校されました。創立当初から「補習校」と日本語を外国語として教える「JASLプログラム」が設置されています。継承日本語教育は1995年にアメリカの大学に進学予定の高校生を対象に、「国語」ではないカリキュラムを提供したのが始まりです。その後学校内で長期滞在や永住家庭の生徒の割合が増え、小学生にも継承日本語のカリキュラムを求める声が大きくなり、2004年に小学部低学年を対象に継承日本語のプログラムを開始しました。2007年には中学部を増設し、2012年には小学1年生から高校3年生が一貫して学べる継承日本語プログラムになりました。PCJLSでは、幼稚園を卒園した子供たちは、目的や日本語力に応じて、補習校部、継承語プログラム、外国語プログラムのいずれかで日本語と日本文化を学習することができます。継承日本語プログラムでは、生徒が持つ「生活言語」を基に「学習言語」を獲得することを目指しており、教材は内容が生徒の年齢に適したものや日本での生活経験がなくても理解できるものを選んでいます。生徒が自分の日本語で自信を持ってコミュニケーションを取れることが目標です。また教員は定期的に研修を行い、言語教育のトレンドなどを勉強して授業のスキルアップに努めています。 https://sites.google.com/a/pcjls.org/en_site/ |
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ポートランド日本語継承学校(Japanese Heritage School of Portland – JHSP)は2014年9月に「継承語として日本語を学習する場」として開校し、オレゴン州ポートランドメトロエリアに住むキンダーから8年生までの子供たち向けに、復学年の4クラスを提供しています。 当校は実験、実習、観察、調査などのハンズオンのアクティビティを通して「生きた日本語」を学習し、実際に自分で「考える」「作る」「調べる」作業を通して言葉の意味や使い方を学習していくカリキュラム作りに力を入れています。また、運動会、秋の味覚、お正月、節分、春祭りなどの文化的イベントを授業に盛り込み、日本の文化に触れる機会も多数提供しています。さらに、授業の最後の行う縦割りグループによる合同アクティビティの時間を通して、下級生は上級生から日本語を学び、上級生は下級生のお手本となる機会が生まれます。 子供たちが継承学校での活動を通して、ポジティブなアイデンティティーとして日本語と日本の文化を学ぶことで、生涯を通じて日本語と関わり、将来国際社会で活躍できる人材を 育てることを目標としています。 https://www.keishopdx.com |
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オレンジコースト学園 (Orange Coast Gakuen – OCG) はカリフォルニア州オレンジ郡で最も歴史がある一番大きな日本語学校です。保護者のボランティアによって成り立っており、生徒の日本語のバックグラウンドや習熟度に関係なく、すべての生徒に日本語を教えています。この学園に通う生徒の大半は、継承日本語学習者か、日本にルーツを持つ子どもたちです。OCGは生涯を通して日本語を学んでいきたいという学習者を育てることを目指しています。参加型の楽しいレッスンこそが学習の成果をもたらす、という考えに基づき、生徒たちの生活に関連のあるテーマを選択し、対話型かつテーマベースのカリキュラムを提供しています。テーマの例としては、日本・アメリカでの家庭生活・学校生活、遊びやスポーツ、食べ物、健康などです。これらは生徒たちがすでに知っていたり、興味を持っていたりするもので、現地校での学習内容と重なるものもあり、相乗効果で理解を深めていくとともに生徒の自信にも繋がり、学びが容易になります。また、カリキュラムには日本の文化行事も多く取り入れているため、実際に体験することもできます。 OCGのカリキュラムは、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校のアカデミックアドバイザーからなるチームによって作成されました。アドバイザーとして参加いただいている先生方は、継承語教育の分野で全国的に有名なエキスパートです。先生方は今でもカリキュラムを監修し、OCGの教員に対して指導やトレーニングを毎週行っています。OCGは教員研修のサポートも行っており、様々な全国・地域規模のワークショップに参加しています。この中には、OCG主催やOCGのアドバイザーの方々によるワークショップも含まれます。OCGはJFLAより2018年、2019年、2021年に教材購入助成を受け、学年別の日本語の読み物がさらに充実しました。 |
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くじら学園 (Kujira Gakuen) は、同じ年頃の子どもを持つ母親たちが集まり、子どもたちが日本の昔話や歌、文化をあまり知らずに育っていることなどの共通の悩みについて話し合った事をきっかけに1987年に誕生しました。以来、熱心な母親たちがお互いの家で週に一度、子どもたちのための継承語教室を開催するようになり、2001年には公式に非営利団体として登録されました。2011年には継承語日本語教育の小学部を設立し、現在では幼稚部(2クラス、3~4才と5~6才向け)と小学部(2クラス、5~6才と9~11才向け)に分かれて毎週授業をしています。 |
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ミシガン日本語継承センター (Michigan Japanese Heritage Center – MJHC) は2021年にGrade3からGrade12までの児童生徒を対象とした日本語・日本文化継承クラスを開始し、現在ミシガン州で唯一の日本語継承プログラムとなっています。2022年にはJFLAから給与助成が供与され、継承日本語教育について幅広い知識と専門スキルを持つ教員を採用しました。MJHCのカリキュラムは、「K-16 World-Readiness Standards for Learning Languages」に基づいており、習熟度に応じた学習を目指しています。習熟度に応じたクラス編成と多種多様なプロジェクトに特化することで、児童生徒たちが 「生きた日本語や日本文化」を自発的かつ協働で学べる環境を提供しています。2021年にはJFLAの教材購入助成により、教科書や学習教材がより一層充実しました。また、MJHCでの定期的な外部に向けた活動を通して、児童生徒が主体となって地域社会と日本社会の交流に貢献しています。MJHCでは、対面式、オンライン授業、そしてハイブリッド型の三つの形で授業を提供しています。 |
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フィラデルフィア日本語補習授業校 (Japanese Language School of Philadelphia – JLSP) は1972年に設立され、2022年に創立50周年を迎えました。JLSPは日本の文部科学省から支援を受けている政府認可の補習授業校ですが、30年近い歴史のある継承日本語コースは、日本政府の財政支援を受けず児童生徒の授業料のみで運営してきました。こうした状況の中、継承日本語コースはJFLAの助成の対象となり、2016年に講師の給与助成を受けて上級コースを開設しました。その後もコースは維持され、児童生徒の在籍者数も倍増しました。 |
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ワシントン日本語継承センター(Washington Japanese Heritage Center – WJHC) は2004年の春に開校し、ワシントンD.C.近郊に住むご家庭の6才から18才までを対象としています。児童生徒向けの継承語と文化の授業に加え、児童生徒のご家族および卒業生向けの日本語学習プログラムもあります。2020年のコロナ禍でWJHCの児童生徒数は急減し、授業料収入の減少により財政がひっ迫しました。その際、WJHCは、JFLAから新型コロナウィルス対応特別給与助成を受け、これによりオンラインによって全授業が維持でき、全教員の雇用を継続することができました。 |